小学生に勉強を教えていた時期があります。
お金を受け取って教えるからには、効果を出さなければならないのですが、逆に言うと、効果が上がる方法を誰も見つけられなかった結果、塾へバトンタッチされるようなケースも中にはありました。
いくつかタイプに分類されるかなと思いますので、小学生に勉強を教えるときに使っていた方法をまとめようと思います。
いきなり勉強に入らない
いきなり「では問題集の○の続きからやろうか」といっても頭の切り替えが出来ないケースが多い気がします。こういう場合には「さっきまで何をしていたの?」的に、世間話から入ったほうが、関係作りにも有効かもしれません。たとえば引き算足し算を教える場合に、「ポケモンのピカチュウが10円拾いました」的に教えたほうがスムーズに行く場合があります。子供の価値観を知るのに役立ちますし、子供の価値観で教えることが出来れば、子供にとっても分かりやすく、結果が出やすいはずですね。
だらけた場合はきちんとけじめをつけさせる
上記関係作りができるようになると、次第に子供は気を許して、ときにはだらけた様子を見せるようになるかもしれません。まずは体調が悪いかどうかは確認すべきですが、明らかにだらけている、勉強に意識が行っていない場合には、5分程度休憩話をしながら、その子がやりたがらない問題を「別の角度から教えることが出来ないか」、「この子に合ったほかの教え方が出来ないか」を頭の中で考えながら世間話をします。ただだらけて勉強をしていないように見える子も、単に教え方が下手で、理解できなくていらいらしている場合があります。図解、具体例、別の視点、別の意見などを取り入れながら、総合力で全力で教えれば、教える側も面白いですし、子供さんも刺激があって楽しいかもしれませんね。
宿題ができていない場合
まずは出来ていない理由を聞きます。こちらの対応の仕方によっては「なめられる」場合があり、次回からも宿題しなくてもいいや、となっては困ります。宿題が「過剰な負荷」となっている場合を除いて、約束した宿題の内容については、妥協しないほうがその子の為にもなるはずですね。僕の経験上、宿題が少なすぎる場合には保護者の方からも心配の声があがるケースも中にはありました。子供は確かにお客さんから預かった大事なお客さんなのですが、本当のお客さんは保護者である親御さんですし、子供の成績を心配するからこそ塾にお願いしていただいているはずですね。宿題はちょっと多めに出して、様子を見るようにしましょう。
子供はもはや子供ではない
学校の先生が昔のように子供を扱えなくなって、気に病んでいるニュースなどがありますが、実際のところはどうでしょうか?知る限りでは子供は子供、されど情報は小学4年生にもなれば、相当な量のことを知っています。つまり憎まれ口も平気でたたくかもしれませんし、モット言えばサボる方法も知っていますし、大人の機嫌をとる方法も知っていますし苦笑、なんとなくうやむやにしてなかったことにすることに長けている子供の中にはいるはずです。
子供として扱うか、大人として扱うか
これは結論は出ないかもしれませんが、こちらがドウ扱うかと言うよりも、相手の気持ちにフォーカスすると考えると、相手が子供でも大人でも余り関係なくなるケースが多いです。たとえば、問題を解けたときに、「ああよかったねえ」といわれて喜ぶ子もいますし、「ちっ、子ども扱いして馬鹿にしやがって、ばかだからおだててやらせようとしているんでしょ?」と内心若干ひねくれて感じる子供もいるはずです。
どういう声かけが自分にとっても子供にとってもふさわしいか
ではどういう声かけやスタンスが自分にも子供にも快適かというと「いまどんな感じ?」「これが解けてみてどうだった?」と相手に尋ねるところからスタートするのも1つの手かもしれません。
つまり子供の気持ちを読もうとするよりも、先に気持ちを聞いてからこちらのスタンスを決めるイメージです。
たとえばこういう答えが返ってくるかもしれません。
・いやこれくらいはS君も解けていたから解けて当たり前だと思う。
・東京大学を目指しているので、このレベルであればもっと短時間で解けるようになりたいですから、その方法を教えてください
・今日はこの問題を忘れないうちにもう一ランク上の問題をやりたいです。
・解けたのはうれしいけど、今日学校で解けなかったテストの問題を復習したい
などの答えを得られればもう一段踏み込んだ勉強を教えることもできるはずですね。
算数の問題であっても、大事なのは国語力
これは向き不向きがあるかもしれませんが、問題をいちど音読させてみるといいかもしれません。
その上で「じゃあ、どこがわからないですか?」
と聞いてみるのです。
すると、具体的な返事が相手から戻ってきますので、その返事を元に、問題文を掘り下げていけばいいだけですね。
これでも
「全然わかりません」
「意味不明です」
「わからないからわからないんです」
という場合にはわかっているところまで図解)してもらいます。
・りんご1個
・なし4個
の絵であればどんな子供でも描くことが可能なはずです。
これの効能は教えているほうはあまり労力をかけず笑にかつ相手の問題意識、理解レベルをきちんと把握することができる点ですね。教えるほうががんばって頭を使うのですが、相手がまるで頭を使っていないのでは解けるようになる問題も解けませんし、応用力も磨かれないケースがあります。勉強しているのは相手であって自分ではないはずですから、相手に図解して(どのように図解するかも含めて)考えてもらうほうばベターのはずです。
また、
算数が苦手なことも国語力も弱いケースが多く、問題読んでる途中で投げ出してしまうことも多いはずです。
問題自体がよく読めないわけですから、算数の問題が解けるはずがありませんね(笑
まずはこういった読解力を鍛えるところから、始めるといいわけですが、ではどうすれば読解力がつくかというと算数の国語が苦手な子は普段あまり喋らないケースもあったりします。
特に男子児童の場合は単純に語彙力が少なかったり、自分の気持ちをうまく伝えられない気子供もいたりしますので、こちらが少しイライラしたりすることもあるかもしれませんが、その国語力のなさがあったすなわち、算数力の無さもあったりしますので、会話しながらその子の言葉を増やしていったり、そもそも作文や国語であっても使える言葉を増やすことをメインにしたほうがいいかもしれませんね。
すると国語力がアップすると不思議と算数の文章題に対する理解力もアップしますし、将来的には自分1人参考書を読んで勉強するようになることを目指すことも可能な範囲のはずです。
すべての勉強の基本は国語力にあったりしますので、まず勉強できない場合は、
・ちゃんと会話できてるか?
・会話に必要な言葉は足りているか?
・この子供と会話するためには何をすれば1番いいのか?
を考えてあげるのも1つの手かもしれません。勉強を教える、教わると言うととかく堅苦しく考え勝ちかもしれませんが、基本は
・人と人とのコミュニケーション
・こちらの考え(知っている知識)を、わからない相手に伝える(教える)
・相手の考え(初めて聞く知識、情報)を聞いて、自分の生活に取り入れる(学ぶ)
と広義にはいえますし、そのほうがその子供の人生を考えた場合に応用力が磨かれ、今たとえ少し時間がかかったとしても後できっと挽回できる基礎力やどこでも使用できる土台が身につくと言えるかもしれません。
そのように人生に役立つスキルをアップさせる時間と考えてあげれば、
・こちらが教えること、
・相手が学ぶことの内容
・算数、国語にとどまらずコミュニケーションを学んでいる時間
と考えてあげれば、単に学校のテストでいい点を取ることよりも価値が何倍にもアップするはずです。基本的にテストの点数は小学校くらいまでであればどうってことないかなと思いますし、自動によっては発育の遅れなどで個人差が大きい期間ですので多めに見てあげてもいいかもしれません。ちなみに自分も一番くらい小柄で頭のほうも算数の文章題もぜんぜん解けずに遅れがちでしたが、中学に入ってからスイッチが入ってからは勉強も人並み以上にはできるようになりました。小学生で勉強がまったくできない僕のような場合でも、後から何とかなりますし、今思射返してみると、伸ばしてあげるべきはどんな文章が来ても読めるスキル(=コミュニケーションスキル)を伸ばしてあげるのもひとつかも知れませんね。
また、 5分でも10分でもいいので作文をしてもらうと、その後の国語力が顕著に判断できたり、その子の日常がわかってきますのでますます会話しやすくなるはずです。
学ぶべきは大げさに言えば人生力とでも言うべき力=コミュニケーション力であって、勉強できるに越したことはないですが、その前に基本的な意思疎通や会話力、国語力、そこでつまづいている子が教えている子の中ではが多いのかなと言う印象です。
そういう意味では漫画やゲームであっても(どんな単語であれ知らないよりは知っていたほうがいいですし、ゲームに使用されている用語やアイテム名からカタカナ英語力だって身につく可能性があります)国語に振れる体験はどんどん増やせばいいと言う考えも成立するのかもしれませんし、それを作文などでもいいので第三者に伝える体験をどんどん増やしてあげると子供の国語力は飛躍的にアップするはずです。
手書きの感じが好きならこれがいいかもしれません。
また会話力アップさせるために単語や感じの勉強ならDSでも対応できるはずです。
シカクいアタマをマルくする。マスター国語・算数・社会・理科(発売日未定)
やや発展的な学習をするなら日能研のDSもあったりしますね(途中で投げ出すかどうかはその子しだいですが、ちょっと難しい問題も日々触れていくことで苦手意識は次第になくなっていくケースもあります)。
普段からニュースや旅行中、買い物中などに、わからないものや出来事を見たら、文字を書かせたり、単語帳を作らせてもいいかもしれません。
知っている単語が増えれば増えるほど、作文力もアップしますし、勉強は勉強で終わらせずに、究極的には勉強が生活につながり、生活が豊かになっていくことが理想形のはずですね。
細切れ時間的に小テストする、なんでも質問してあげる
塾や個別指導塾であれば、24時間付きっ切りでその子供を見ることは不可能かもしれませんが、両親が子供に勉強を教えるのであれば日常生活の細切れ時間を使って勉強を教えることもできるはずです。
たとえば「テレビ番組」を見ながらでも辞書を引く習慣をつけさせたり、わからない漢字が出てくればその都度調べさせるなどですね。
ただ
「テレビをみないで勉強しなさい」
「ゲームをしないで宿題しなさい」
といってもやはり子供は納得しませんので、テレビをある意味テレビを観ながらでも勉強したという実績を見せなさいと言えば子供はテレビも観ながら何を勉強したか、それを日記なり、感想文なりつけさせるのもひとつの手かも知れません。
また一気に10問ドリルを解きなさいといっても、ボリュームがありすぎる場合は、ここぞという問題を1回につき1問だけ、子供に質問を投げかけると子供も受け入れやすいはずです。
たとえば国語の長文を読解することが苦手な子供に対しては、
・物語の一部分やひとつの文章
・大人が(親が)読んで感動した映画、本
などから
主人公の気持ちを尋ねたりするのも
子供の世界観を広げる手助けになり長期的には生きていく知識を身につけることにもつながるはずです。
「どうしてだと思う?」
「なぜだと思う?」
「これは何?」
と親が子供に対して質問してあげるだけで、
質問 = 調べる方法の獲得
とセットですので、子供も頭を働かせる方法や手順、学習の段取りを理解できるようになるはずですね。
「これは何?」
「わからない」
終わらせるのではなく
「どうやって調べたらいいと思う?」
「どうやったらわかると思う?」
などあくまで子供に寄り添いながらも質問をしてあげるだけで
将来的には答えがないような問題にも
根気強く取り組むような下地ができていくケースもあるはずです。
親が全部答えを示してあげることが勉強かと言うと
そうではなく
むしろ親は根気強く質問してあげることこそが
将来につながる勉強と言えるかも知れませんね。
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