■高齢者に行動を変えてもらう方法
昔々おじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんもおばあさんもその後村へ巨人がやってくることをまだ知りませんでした。
おじいさんとおばあさんの平和な生活がやがて崩されることを。。
おじいさんは人の言うとおりに行動するのが大の苦手でした。アドバイスされることが嫌いで、逆ギレしては煙に巻くのが得意でした。
おばあさんもこれまた人の言うとおりにするのがいやで相手の話を聞いたふりをして、タヌキ寝いりしたり、耳が聞こえないふりをしたり(実際に聞こえていないこともあり、聞き返すのがめんどくさくなって人の話を聞きません)、誰もいないところでは今まで通り好き放題にしていました。
おじいさんとおばあさんには狼少年と呼ばれる子どもがいました。
狼少年とは「狼がくるぞー」といっては、村人をびっくりさせて、村人がびっくりして逃げるのを面白がっている少年でした。
結果、村人たちは、逆に「狼など決してこない」という思いを強くしていきました。
ある時、本当に一匹の狼が村へやってきました。
狼少年と呼ばれる少年だけがその狼に気づきました。
おじいさんとおばあさんに
「狼をみたよ、気をつけて」
といってもおじいさん、おばあさんはとぼけたような
顔をしてこどもの言うことなど聞いてくれません。
完全にスルーです。
このままではオオカミ少年だけでなく、おじいさんおばあさんもオオカミに食べられてしまいます。
どうすれば話を聞いてくれるだろうかと考えた子供はもっと高齢者に合わせた話し方、伝え方にしようと思いました。
高齢者に話を聞いてもらう方法
オーバーでもいいので「相手が変わる話」をする。
高齢者とはある意味鈍感な人たちです。
実際高齢者介助の講習を受けると、よく見えないゴーグルをつけて、話しが聞こえにくい耳栓をして、ひじやひざの関節が動かないサポーターをつけさせられたり、手には不器用に動きにくくなる手袋をはめさせられたりして、高齢者の体感を実際に身を持って知るという講習があります。
「これだけ耳も目も体も動かない人が相手なんだ」
「生活するのも大変そうだ」
「鈍感に見えるのではなく実際に感覚が鈍くなってしまっているのだ」
というのを若者はまず理解するのです
高齢者はこれまでの人生、よくもわるくも長年生きてきた自信がありますし、オオカミが今まで一度も来ていないという事実もあります。
しかし、変わらなければ狼はやってくる場合もある
のです。
なら多少大げさな話しであっても、
作り話である必要はありませんが
極端な部分を出していく必要があります。
オオカミに食べられた人の話があれば、
その人がなぜ食べられたのかをはなしたり(気がつくのが遅れたり、準備をしていなかった)、
実例をはなしてあげる必要があるかもしれません。
多少オーバーでもオオカミ少年になることをおそれずに教えてあげる必要が有るのです。(間違いが含まれてしまうのは人間だから仕方ない面もあります)
しかも高齢者は反応も、行動も、理解する力も鈍いので真っ先に教えてあげる必要があります。(そうでないお年寄りもいますが若い頃と比較すれば鈍っている方も多いです)
完全理解には、3ヶ月から1年以上かかることもざらです。
最初の時点ではオオカミ少年といわれるかもしれません。
しかし高齢者を動かすにはそれくらいの長期間ねばり強い説得が必要になりますし、またそれで実際に高齢者が変わった実例もあります。
長年起こらなかったことでも起こった例を挙げる
長年起こらなかったことでも、今後起こらないとは限りません。
起こらない確率もありますが、明日起こる可能性もあるのです。
高齢者に残されたいわゆる寿命は若い人よりは少ないのですが、しかし残された人生になにが起こるかわからないのです。
目に付くところに張り紙をする
高齢者はきれいさっぱり忘れます。
忘れることを前提にアドバイスした方がいいいくらいいです。
「10回はなして、1伝わる」
「1伝わって、3忘れる」
位のことです。しかしオオカミがやってくるなら
伝え続けなければなりません。
忘れないようにするには
「毎日言う」
「毎日言うのはめんどうなので張り紙をする」
ことが有効です。もはや当たり前のように覚えてもらうのです。
毎日伝わる内容は「0.1」ずつかもしれません。
しかし伝え続けることで1年たてば10くらいのことを伝えるのは達成できているのです。。
このときあなたは気づきます。
伝え続けてよかったと。
おじいさんおばあさんはオオカミが来たけど、
逃げていたので助かりました。
という未来のために高齢者に行動を変えてもらうモチベーションにしてください。
伝え続ければきっと伝わります。
途中で逆ギレされたり、
ふてくされたような態度だったり
そもそも絶交だと言われるかもしれません。
しかし1年間がんばって同じことを伝えてみてください。
相手は10変わって成長してくれます。
高齢者でも変われるんだと感動すらするでしょう。
そんな1年後ほしくないですか?
なら伝え続けてくださいあなたも相手も負担にならないように張り紙や手紙を渡すのも一つの手です。